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21 (火)
19:25
June

「世界の美術」の本

ヨーロッパでたくさんの美術品を見ました。

子供のころから知ってる「ダビデ」や「ポッティチェッリのヴィーナス」その他もろもろ、見たことある、記憶に残ってる絵画。
学校で習ったと思っていたけれど、わたしが学校で勉強したことを覚えてるわけがない。
どうして鮮明に思い出せるのか? 不思議だったの。
なぜ、わたしはこんな絵を知ってるんだろう?って。

なぜ?って考えてたら、帰国してしばらくしてやっと思い出した。
1967年に学研から発行された百科事典にセットされてた「世界の美術、西洋」
めっちゃ古いです。
姉の家に保管されてたのを持ってきたけど、黴臭かった。

昔は、重くて分厚い百科辞典がある家庭が多かったのです。
全部で10冊くらいあったのかなあ。
夏休みの自由研究などは百科事典で調べるものだった。

「世界の美術」には、当時子供だった私から見ると、摩訶不思議な絵がたくさんのっていた。
「ポッティチェッリのヴィーナスの誕生」は、その中でも一番興味がある絵画だった。


まず、裸です。
裸がこんなに大々的に描かれてることが強烈。
そして、非現実的で意味不明と思いながらも美しさに惹きつけられる絵。
海の中に浮かぶ大きな貝の上に人間のようなな女神さまが立っていて、羽根を付けた人間が飛んできている。
あり得ない世界。
不思議な絵。
子ども心に魅力的な世界で、こんな世界があるような気持ちになってた。
憧れてた。
でも、当時外人と言えばアメリカ人の顔しか知らなかったので、ヴィーナスの顔はヘンだと思っていた。(と、記憶している)

そして、裸の絵も多いので、当時あまり見てはいけないと思ってた、とも記憶している(笑)
家にひとりで暇な時、この本だしてきて見てたのを思い出す。
なつかしい。

ブランカッチ礼拝堂、マザッチョの「貢の銭」やマゾリーノの「足萎えの治療とタビタの蘇生」 


サン・マルコ美術館のフラ・アンジェリコ「受胎告知」も


わたしが見てきたものが、註釈つきで(多分全部)のってます。
うれしい。

読書も絵もパソコンの電子画面で見るよりも、紙上で見て読む方が楽しいです。

本の中でわたしが一番お気に入りだったのはこれ。
フラゴナール「本を読む少女」1776年

どこが好きだったか?
記憶によると、少女のドレスと横顔、部屋の雰囲気に。
異国の少女のような暮らしがしたいと憧れてた気持ちが蘇ります(笑)

子供のころの記憶って残るもので。
心の中に(頭の中に?いえ、脳の中に)残っていた記憶ってすごいよね。
紙に書いて残してたわけでないのに、ちゃんと覚えてるのって。
人間はすごいね。

この本、当時、3,200円。
このような百科事典を買い揃えてくれてた両親に感謝です

 

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